今回の原発事故について政府, 東電関係者, マスコミはできるだけ「メルトダウン」いう語を使わないようにしてきたようだ。 わたしが朝日新聞ではじめて「メルトダウン」という語を見た気がしたのは, 5月13日朝刊, それも3面で東電メルトダウン認めるという見出し。 一方1面大見出しは高放射線 爆発前に把握パとあり, メルトダウンは書いてない。 3面に「東電内部資料の主な内容」という表があり3月15日6:24に「メルトの可能性」について所長が言及した, とある。
5月15日朝刊第1面大見出しは1号機 冠水作業を断念とあり, 前置きの文中に「被災してメルトダウン事故をおこした福島第1原発1号機で」という言及がある。
5月16日朝刊第1面大見出しは震災翌朝に全燃料熔融とあり, 本文中で「今回の解析では, 津波が到達してから15時間20分後の12日朝に炉心が完全に熔融(メルトダウン)していたことになる」と書いている。
ようやく5月17日朝刊第1面の大見出しで2・3号機もメルトダウンとあらわされるようになった。 「細野豪志首相補佐官も16日の会見で2, 3号機でのメルトダウンの可能性を認めた。」 5月16日に東電が公表したデータによると「圧力容器内の圧力が, 2号機は3月15日午後6時43分に, 3号機は3月16日午後11時30分に, それぞれ下がった。 圧力容器の密閉性が損なわれ, 圧力が抜けたと見られている。 圧力容器の底には制御棒や計測機器を外から通すための数多くの貫通部がある。 これまで炉心の熔融が起きたとみられていたが, さらに核燃料が圧力容器の底に完全に崩れてたまるメルトダウンが起こった結果, その熱で機器が溶けるなどしたとみられる。」と本文で解説している。 わたしは他の新聞は知らないし, テレビもあまり見ていないが, メルトダウンということばはわたしには聞こえてこなかった。 メルトダウンは恐ろしいことばだから, 取り扱いに非常に気をつかっていたにちがいない。