From Barlow (1973)
ヒトは進化の過程にあります。
アレクサンダー・テクニーク(アレクサンダー・テクニック)とは
アレクサンダー・テクニークとは
ユズルのテーブルワークの様子
私たちの心身は生来すばらしい能力があるにもかかわらず,無意識的な習慣や条件づけ,固定観念などによりそれの完全な発揮がじゃまされています。アレクサンダー・テクニークの先生は,手とことばを使って,自分で自分のじゃまをしている不必要な緊張に気づかせ,それをやめていく学習を助けます。
その結果として選択の可能性が増え,意識が明快になり,動きが軽くなり,能率があがります。また痛みがへり,エネルギーが流れるのを感じるようになり,幸福感がふえるといわれています。
自分を知りたい人。もっとらくになりたい人,緊張しすぎの人,精神的または身体的ストレスに悩む人。特にダンサー,俳優,ミュージシャン,教師など人前に立つ仕事や,子育てや援助職,サービス業など人との関わり持つ職業,コンピュータやオフィスワークなど頭を使う場合などにおすすめできます。
アレクサンダーってだれ?
F.M.アレクサンダー
F.M.アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander, 1869 – 1955) は オーストラリアで若い俳優として有望なスタートをしましたが,しばらくすると舞台上で声がかすれたり,出なくなるようになりました。医者も治療のしようがなく,アレクサンダーは自分で原因の解明にのりだし,三面鏡のまえに立って台詞をいう瞬間の自分自身を観察しました。
その結果わかったことは,やるぞーと思った瞬間に首のうしろを縮めていたということでした。そのため頭が重たくのしかかり,声帯に圧迫を加えていたのです。その反対に,首がらくになっていて,頭が前と上のほうに行き,ふわっと脊椎のうえでバランスをとっていれば,声がらくに出る。首の緊張がなければ,わたしたちに生来そなわっている初原的調整作用が活性化されて,自己実現的に動けるということがわかったのです。
これはアレクサンダーのような天才をもってしても,言うは易く,行うに難しいことであったので,普通 のひとには教師の手助けがいります。アレクサンダーは1904年にロンドンにあらわれ,はじめは俳優たちに,それから知識人たちに教えはじめました。いまでは世界で2〜3千人の教師たちがアレクサンダー・テクニークを教えています。
どうしたらいいの?
自分で自分のやりたいことをジャマしている習慣は「無意識」なものですから,自分ひとりで気づくことは非常に困難です。どうしても先生の手がその緊張にさわることによって意識化される必要があります。
ひとりひとりの個人はそれぞれ独特な仕方で自分の緊張をつくりあげています。それを先生と安全な環境で1対1で解放していくのが個人レッスンです。
また第三者からの観察により助けられたり,他人を見ると自分のことがわかりやすくなって,アレクサンダーの原理について大きな視野がひろがるのが,グループワークです。
もっといろいろ知りたい!
アレクサンダー・テクニークについては,もっと多くの先生たちと,いろいろな見方があります。JATS 日本アレクサンダー・テクニーク協会(代表:片桐ユズル)をごらんください。
ワールド・ワイドの活動を知りたい方には,ATI (Alexander Technique International)などで情報を得られます。
もちろん,書籍もいろいろ出ています。詳しくは JATS 内の「書籍の紹介」をご覧ください。