詩集『あしやことのは』

投稿日 2008年12月29日

ユズルが芦屋でアレクサンダー・テクニークの個人レッスンのために場所をかりているES国語塾の宮崎隆さんが詩集を出しました。彼とはもう30年近い友だちです。詩集のあとがきにユズルが書いたひとことをここにのせます。詩集は頒価1000円です。ホームページ:http://homepage2.nifty.com/eskokugozyuku/
ひとこと
長年国語塾をしてきた宮崎さんが詩集を出すということです。国語の先生というと, 今まではえらいひとが書いたものの理解をたすけるのが主な仕事と一般的には思われていたようですし, 最近では論文の書き方とかが世間的には注目をうけているようです。
宮崎さんは民謡を聞くと血が騒ぐといって, 特に即興演奏の「掛け唄」にはまっていました。 また普通のひとが自分の歌をうたったり, 詩をよんだりする「表現の教室」をつづけてきたのでしたが, その彼がいままで詩を作らなかったのがむしろふしぎといえば, ふしぎでした。 そしてこのごろになって詩を書きはじめたのはなぜでしょうか? 根掘り葉掘りたずねてみました。
詩を書く方が, らくだ, 短いし, くどくど説明しなくてよいし, 飛躍してもよいし, スケッチみたいなもので, 要するに近道なのだ, と宮崎さんはいいました。 その近道から思いがけず深いことが見えてくる, とうことでした。 わたし自身が詩や批評の出発点として, 詩と散文をするどく区別する訓練からはじまりましたから, その立場からしつこく宮崎さんに質問しました。 最終的に「詩にすると経験が肯定的になる」 ことがわかりました。
価値を価値的なことばで言うのが詩だというチャールズ・モリスの記号論的分類にまさにぴったりあてはまります。 そして宮崎さんが世の中で否定的ことばにとりかこまれながら, いかに自分自身を肯定的に生きようとしているか, そのあかしがここにあります。