小林隆二郎さん亡くなる

投稿日 2015年1月31日

小林隆二郎さんは関西フォークソングの季節はずれに咲いた大輪の花でした。 「人はみな旅人」と歌っていましたが, とつぜん2015年1月10日に帰らぬ旅に出ました。 1972年に当時すでにマスコミから閉め出されていた「プロテスト・ソングの復権をめざし」かわら版キャラバンをはじめ, 中川五郎, 三浦久, 秋山基夫, 有馬敲, 片桐ユズルなども同行しました。 彼は軽やかな声と, すばらしい歌唱力をもちながら, 言いたいことを歌いつづけるために, プロにはならずに, 大阪地下鉄の駅員の仕事をつづけ, ふつうのひとのための自由な表現の場として「ばとこいあ神戸」を1975年10月にはじめ, いまにつづけました。 ここの居心地のよさは, 彼のやさしさがすべてをつつみこみ, 排除すなわち差別を退けているからなのでしょう。 (参考: 片桐ユズル編『ほんやら洞の詩人たち』(晶文社, 1979年)